流し雛の由来は?有名な下鴨神社・用瀬はどんな行事?

流し雛とは

ひな祭りの由来の一つとされる「流し雛」は現代でも全国各地で
行なわれている行事で、下鴨神社や用瀬などが有名です。

ひな祭りになると季節のニュースとして
「今年も流し雛のために大勢が集まりました~」
なんてみんなが川で何かを流している映像が流れますよね。

なんとなぁく、知っているこの流し雛って
いったいどんな行事なのでしょうか?
 

流し雛の由来とは?いつから行なわれるようになったの?

流し雛のルーツを遡ると古代中国まで行き着きます。
たいていの行事って古代中国から来ていますよね~。

流し雛ももれなくそうなんですが、中国から来た習慣と日本古来の
風習が混ざった物なんです。

古代中国では季節の変わり目は邪気が発生しやすいと言われており
3月3日の上巳の節句には水際でお祓いをする習慣がありました。

そしてその中の一つとして、盃を水に流してその流れている間に
歌を詠む「曲水の宴」という風習もあったようです。

一方日本では古来よりお祓いには人形が使われていました。
人の形をしたものには霊力があり邪気を祓いのけることが出来ると
考えられていたのでお祓いや祈祷の時には人形が使われるのが一般的でした。

呪いのわら人形なんていうものもあるように「身代わり信仰」といって
人形を自分・人の身代わりとして使っていたんですね。
 

遣唐使によって中国の上巳の節句の習慣が伝わったときに、
「曲水の宴」とこの日本の人形を使う習慣も合わさり・・・

平安時代には上巳の節句に川のほとりで、和紙などで作った人形を
体にこすりつけて邪気を移してから川に流してお祓いをするという
習慣ができたのです。

見事な合わせ方ですよね!これが現代でも「流し雛」として
各地で行なわれているんです^^

流し雛といえば京都の下鴨神社!

各地で行なわれる流し雛の中で有名な物の一つとして
京都の下鴨神社があります。

下鴨神社はとても歴史のある神社で記録では西暦前90年には存在していて、
それ以前から祀られているのではないかと言われています。

1994年にはユネスコ世界文化遺産の一つとして登録されている、
とても貴重な神社なんですよ。

そんな歴史のある下鴨神社でも毎年流し雛の儀が行なわれているんです。

流し雛では藁で丸く編んだ「桟俵」に和紙で作った人形をのせて流します。
当日買った物を流してもOKですが、本来は買った物を一年飾ってから
次の年のひな祭りに流すのが正式なのだそうです。

開催日はもちろん毎年3月3日!2017年は10:00より始まります。
 

毎年の流れは大体こんな感じです。

①雛人形授受の受付開始。
ここであられ付きの雛人形を買うことが出来ます。

②祈祷

③流し雛開始
まず神職が名人形を流します。そのあと平安装束を身につけた
お内裏様とお雛様が雛流しの儀を行ないます。

④一般による流し雛
ここで一般客も流し雛を行なうことが出来ます。
 

その年によっては、ゆるキャラが来て流し雛をしたことも!

歴史ある神社での神事なので厳かに始まり執り行われますが、
平安衣装を着たお雛様が見られたり特別ゲストが来たりと
楽しめるイベントになっています。

ただし一般客はここに集まって流すのでかなりの人だかりになります。
流すのに一苦労しそうですね^^;

最も有名な流し雛?!鳥取・用瀬の流し雛

さてもう一つ紹介する有名な流し雛は鳥取にある用瀬の流し雛です。
資料によれば江戸末期から行なわれていた歴史ある流し雛!

昭和30年頃から雑誌で取り上げられるようになってから知られ始め、
メディアの普及とともに全国的に知られるようになりました。
昭和60年には県指定無形文化財にしていされています。

用瀬の流し雛の特徴は旧暦の3月3日に行なわれることです。
ぜひこのイベントを見てみたい!と3月3日に行かないように要注意ですね。

2017年は3月30日(木)に行なわれます。

着物を着た子供達を始め多くの人が男女一対になった和紙で出来た
雛人形を川に流していきます。

当日は「流し雛の里」として街全体で楽しめるイベントになっています。
流し雛はもちろんのこと、製作実演や雛飾りの公開、流しびなの館では
雛人形の歴史を見ることも出来ますよ。

当日でも流し雛を購入すれば参加できるのでぜひどうでしょうか^^